アウトドアアンバサダーの期間は終了しているけれども、書きとめてあったテキストがあったので投稿します。もう2ヶ月以上前の話です。
PRO TREKは圧力センサーを搭載していて、その気圧の変化量から標高を計算して表示しています。
正確な標高を表示させるには、「高度補正」という作業を行って、現在の「標高と気圧」をPRO TREKに覚えさせる必要があります。当然ですが標高が判明している地点で行わないと意味がありません。ですが山歩きをしていると、そんなことを忘れてしまうことがほとんどです。その結果、PRO TREKに表示される標高値が信用することができず、ただの時計と化していることが多くあります。
WSD-F20ではGPSが搭載され、腕時計単体で「GPSによる高度補正(高度をロケーションで補正)」ができるようになりました。
これで面倒な高度補正の作業から開放されると思っていましたが、念のため昨年のイベントでCASIOの方に確認したところ、「より近い標高値を表示させたければ、頻繁に高度補正を手動で行った方がいいですよ」との回答。軽くショックを受けました。確かに取説の「高度をロケーションで補正」の説明文にも以下のように書いてあります。
GPS情報が原理的に誤差を含んでいるため、実際の標高とは誤差が生じます。より高精度で高度を表示したい場合は、本項目を「OFF」にした上で、現在地の正確な標高を手動で入力する「高度補正」の操作をこまめに行うことをおすすめします。
ではGPS情報はどの位の誤差が出るのかが気になってしかたありません。そんなわけで簡単な比較実験をしてみることにしました。比較対象はGPSを搭載していない「PRW-3000」です。
- 場所:塔ノ岳の大倉尾根
- 2個のPRO TREKを片腕に巻いて同時に測定
WSD-F20:
「標高をロケーションで補正」に設定(スマホとペアリングせず、スマホからのGPS情報を受信しないようにした)
PRD-3000:
手動で高度補正を実施(実施地点:大倉・天神尾根分岐・金冷シ・山頂)
測定結果をまとめたのが以下の表です。
自分なりにグラフにしてみました。
PRD-3000で高度補正を手動で行った場合と比べると、WSD-F20はおよそ倍程度の誤差が出ている感じでした。これぐらいの誤差ならば、高度補正を行わずにGPSの情報に頼ってしまってもいいかもしれません。なにせ目安なので。
GPSの誤差の増減や正負の符号も似たような傾向になっているのが興味深いところです。
途中で気がついたのですがYAMAPアプリで標高を確認したところ、PRO TREKが表示する値と異なっていました。WSD-F20が受信した情報を共用していると思っていたので意外でした。この数値は何を根拠に算出されているか気になるところです。(ジオイドを考慮した値?)
当然ですが、自然環境やGPSの受信環境にも左右されるので常にこの通りというわけではありません。あくまでも参考値ということで、皆様の判断材料になればと思います。